今、注目のドット絵の魅力! 制作時におさえたい4つのこと
2024/01/25
2023年9月、ミヤシタパークをはじめとする渋谷エリアで『シブヤピクセルアート』が開催されました。このイベントはピクセルアート(Pixel Art)、所謂「ドット絵」を取り上げた世界的な芸術祭となっており、2017年から開催されています。国内外から多くのアーティストや企業も参加しており、年々注目が高まっています。
1980年代のゲームから生まれた「ドット絵」は現在改めて注目が集まっており、様々な場面で目にすることが多くなりました。今回の記事ではこのドット絵について、注目されている理由や事例、実際に制作する際のポイントについてもご紹介します。
なお、アクアスターではドット絵に限らず様々な種類のゲームアートを手掛けてきました。実際にゲームの中で使用されるキャラクターのイラストはもちろん、「ゲームのキャラクターのようなビジュアルで広告を作りたい!」といったオーダーにも広くお応えしています。
ドット絵が注目されている理由
80~90年代からドット絵に親しんだ層からの支持
特に80~90年代にかけてゲームに触れてきた世代(30代以上?)にとって、ドット絵は身近な表現方法の一つです。ドット絵そのものに魅力を感じることは勿論ですが、ある種の懐かしさ・ノスタルジックさに魅力を感じる層も少なくありません。
高精細な映像が当たり前の若い世代にはドット絵は新鮮
一方、ドット絵は3DCGや高精細な映像表現が当たり前の世代にとっては新鮮な表現として写っています。若年層を中心とした「平成レトロ」「Y2K」「シティ・ポップ」というキーワードに代表される90年代~00年代のリバイバルブームの影響もあり、ドット絵が新たに注目されています。
NFT等の新たなアートとしてドット絵が注目されている
新たなアートとしてもドット絵は注目が集まっています。特に注目が集まっているのが「NFT(非代替性トークン)アート」の世界です。
ブロックチェーンの技術を活用し、唯一無二のデジタルデータであることを保証するNFTアートの世界ではドット絵の作品が数多く流通しています。日本でも小学3年生が制作したドット絵が100万円を超える額で取引されたことで話題になりました。
ドット絵の活用事例
第一生命保険株式会社「ステップジャンプ」CM
2023年12月から放送されたこのCMではドット絵のゲームを中心に物語が進行します。ひと目で今田美桜さんと分かるクオリティの高いドット絵のキャラクターが動くことで、目を引く魅力あるCMになっています。
ゆず『ALWAYS』MV
ドット絵の表現は国内外のアーティストからも注目されており、様々なMVで採用されています。人気アーティストの「ゆず」が2022年3月に公開したこのMVはドット絵のアーティストとしても有名で、先程のシブヤピクセルアートでも受賞経験のある「mae」さんによって手掛けられました。
ドット絵を制作・依頼する時のポイント
次に、実際にドット絵を使ったコンテンツを制作したり、外部に依頼したりする際に押さえておいたほうが良いポイントについて大きく3点ご紹介します。
どのぐらいの細かさの「ドット絵」をイメージしているか?
一言で「ドット絵」と言っても多彩な表現があります。ファミリーコンピューターで見られたようなシンプルなドット絵をイメージする人もいれば、その後のスーパーファミコン等で見られたような細かな表現も「ドット絵」と呼ぶ人もいるでしょう。イメージのずれを無くすために、どのぐらいの精度のドット絵なのか依頼側と制作側で具体的な例を元に目線を合わせることが非常に重要です。
ドット絵では漢字などの細かい文字の描写に注意
ドット絵の中で日本語の文字、特に複雑な漢字を表現しようとすると細かな描写が難しく認識し辛い場合があります。一方で文字を表現するあまり、文字は細かなドット絵表現・背景はシンプルなドット表現のようにチグハグなトンマナになっては意味がありません。現在はドット絵風の日本語フォントも多く公開されているため、ドット絵全体のトンマナを意識してフォントを有効活用することも効果的と言えます。
シンプルなドット絵は簡単?…とは言い切れない
ドット絵独特の表現は通常のイラストとは異なる考え方で制作されます。そのため、制作内容によって工数も変わってくるため注意が必要です。特にシンプルなドット絵は要素が少ないため作業工数はそこまでかからないのでは?という声もありますが、一概にはそうは言えません。シンプルなドット絵は限られたピクセルの数で、端的に表現する必要があります。形のとり方に工夫が必要。特に先程のCMキャラクターのような特定の人物や建物、キャラクターを表現する時には細かな調整が必要です。
画像を加工する「だけ」でドット絵にするのは難しい
現在はAdobe Photoshop等の画像加工ソフトで既存のイラストや写真を「ドット絵風」にする方法も広く知られています。そのため、簡単に「ドット絵風」に近づけることも可能です。しかし、人々が考えているドット絵の印象とはかけ離れていることが多いのが現状です。なぜなら単純に使用する色の数を減らし、画像を構成するPixelを減らしているだけのものが多く、「画像が荒れている」印象を与えます。
ドット絵はコンピュターの性能や機能の制限の中で生まれた表現であり、限られたピクセル数・限られた色の数で表現してきた独特の表現です。そのため単に「減らす」だけではなく、色味や形を取捨選択しながら細かな調整する必要があります。そうなければよくイメージされる「昔のドラクエっぽく」とか「昔のポケモンっぽい」表現とはかけ離れたものになるでしょう。
ドット絵を制作するためのソフト
現在、ドット絵を制作するためには様々なソフトが使われています。
- Adobe Photoshop
- Adobe Illustrator
- CLIP STUDIO PAINT PRO
ドット絵以外のイラストを制作する以上のようなメジャーなソフトでも様々なタイプのドット絵を制作することができます。
最近の需要の多さを受けてか、ソフトの開発元でもドット絵の制作方法を解説するページも公開されています。
また、それ以外にもドット絵の制作に特化する形でのソフトも多数リリースされています。基本無料で公開されているものや、スマートフォンだけでも制作が可能なものなど今後若い学生の方や幅広い層のクリエイターの方が挑戦しやすい環境が整っていると言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はゲームだけでなく、広告やMVの世界でもさらに注目が集まっている「ドット絵」についてご紹介しました。アクアスターは広告業界、ゲーム業界で様々なビジュアルを手掛けていましたが、ここ2~3年でゲーム業界だけでなく広告業界からもドット絵に関するご相談が多く増えてきていると実感します。
アクアスターではドット絵・ピクセルアートのジャンルにもお答えできる体制を整えています。ゲーム内で使用するドット絵のキャラクターから、CMやバナーでの利用するドット絵の背景等コンセプトや企画に応じて最適な提案を行います。
また、ドット絵のビジュアルを制作するだけでなく、ドット絵を活かしたアニメーションの制作も可能です。また、Web上でプレイ可能なドット絵を活かしたカジュアルゲームコンテンツなどもワンストップで対応できる体制が強みです。
「レトロゲームの雰囲気でWebコンテンツを作りたい」
「ピクセルアートでメインビジュアルを作りたい」等
ドット絵やピクセルアート、レトロゲーム風コンテンツでの展開をご検討中の方はお気軽にお声がけください。