「キャラクターデザインとは“探る“こと」オリジナルキャラクターをデザインする3つのポイント
2017/05/30
みなさまこんにちは!
アクアスターが手掛けるお仕事の一つに「キャラクターデザイン」があります。皆さんも普段Webや街中で様々なキャラクターを見ると思います。企業の広告に登場するマスコットキャラクターや、自治体をPRする「ゆるキャラ」まで、キャラクターを見ない日は無いと言ってもいいのではないでしょうか。このキャラクターをお客様の要望やコンセプトを汲み取りながら企画・提案制作することが「キャラクターデザイン」です。
とは言え、いざキャラクターデザインってどんなこと?と言われると、実は語られる場が少ないのが現状です。キャラクターの活用が広告手段の一つとして定着し、触れる機会が多くなってきたけれどもどうやって作るか分からないというお声をお客様からも頂くこともあります。
今回のブログではこれまで生まれてきてくれたキャラクターたちの制作話も交えながら、キャラクターデザインをする際に必ずやっている3つのポイントをご紹介します。
キャラクターに「個性」を見つける
キャラクターは、それぞれに個性を持たせて、命があるかのように感じられる「存在」です。どんなキャラクターを描くかの情報を集める過程で自然と生まれてくるものを描いているような、そんな感覚です。
例えば皆さんがダッキーという名前の犬を飼っていたとします。単に「犬」を描く事と「飼い犬のダッキー」を描くのとでは、意味も工程もずいぶんと違います。ダッキーは喜んでいるときにしっぽを引きずり掃除をしながら走るとか、年寄りで鼻が鈍っている等の何かしら記憶にあるダッキーを探しながら描くことになると思います。そうすると個性のある「キャラクター」としてのダッキーが段々と出来上がり、犬の絵ではあるけれど、単なる「犬」とは違い段々と「飼い犬のダッキー」の絵になってくれます。
そう考えてみると、キャラクターという存在を描くには、キャラクターの原材料となる「個性」がどこにあるのかを、見つけていかなければなりません。
これには、ある工程が必ず必要になりますので次にご紹介します。
キーワードを「探る」
キャラクターデザインは、具体的なモチーフがない状態からスタートすることが多くあります。この場合、依頼主の方に病院の問診のように詳細にメッセージやイメージをヒアリングし、簡単に描いたラフやサンプルをお見せしてコミュニケーションを行います。時にざっくばらんに雑談を交えながら、キャラクターデザインによって求められるニーズと重なるキーワードを聞き出していくことが重要です。口頭でのコミュニケーションが難しく、ご依頼が資料やデータのみの場合も少なくありません。その場合でも、関連する様々な情報から連想されるものをリストアップし、まずはアイデアを膨らませるだけ膨らませます。
こういったキーワードを十二分に「探る」過程で生み出されるものこそが長年使われたり、説得力のあるキャラクターデザインにしたりする為には重要です。
キャラクターデザインは、突然何もない所から生まれるものではありません。小説や絵本の挿絵のように元々の文脈があるわけでもなく、「依頼主の頭の中にあるキーワードを探る」ことから始まります。そこにターゲットとなる消費者の特徴や自分のアイデアを混ぜ合わせた時に、そこから出てくるものを細かく見出して、描き出す作業であると言えます。
リボン犬/LINEスタンプ
J-WAVE 「Hello World」番組公式キャラクター
キャラクターを「見てわかるもの」にする。
ここまで「アイデアを出すこと」について主にお話してきました。次に実際に「描くこと」についてご紹介します。この「アイデアを出すこと」と「描くこと」で最大の違いは、「見てわかるものになる」ということだと思います。「見てわかるものになる」とは、このキャラクターがどういったキャラクターなのかが、見た人に伝わるようになることです。そこで、「探る」から「描く」までの間に、「探る」作業によって思い切り膨らませたアイデアを、今度は逆に、選びとっていく作業を行います。
その後、選ばれたアイデアを様々なデザインパターンで描いていく作業に移ります。時には何時間も描き続けたり、電車内や街中でメモに描いたり、お風呂に入りながら水滴の壁に描いたりします。もちろん闇雲に選び取ったり、描いたりするのではなく、大元のコンセプトを度々振り返りながら行うことが重要です。そうすることで、どのデザインパターンが今回の案件にとって最適かが絞り込まれていき、オリジナルキャラクターとしての形が作られていきます。
そのため、あえて普段の作業場所から見えるところにコンセプトが書かれた紙を貼るなどして、自然と見返せるようにします。状況が分からない人にとっては、ちょっと妙な人に見えるかもしれません。この選択と振り返りの連続によって、キャラクターがどのように伝わるか左右しますので、重要な作業と言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した工程やポイントを経て、実際にご提案するキャラクターデザインを制作、選出した上でクライアントに提案していきます。
もちろん期限や案件にかけられる工数によって作業量は前後しますが、概ねこのような工程を経て、ご提案にいたります。しばらくしてから提案にいたらなかったデザインを見返すと、とんでもないデザインやアイデア頼みのデザインも少なくありません。その時の検討していた過程を冷静に振り返ることで、今後の提案に活かすこともできて非常に面白いです。
アクアスターでは30年以上に渡ってイラストの制作やキャラクターデザインに携わってまいりました。
下記のページではアクアスターのタッチサンプルや代表的な事例がダウンロードできますので、お気軽に御覧ください。
また、キャラクターデザインのスケジュール感や予算の相場を知りたいといった点や、どのようにキャラクターを作ればいいか相談したいといったご依頼もお待ちしております。社内の経験豊富なクリエイター・プランナーがご提案させていただきますので、お気軽にお声がけください!