映像制作の初心者が「作る前」に押さえておきたい大事な3つのポイント
2024/04/16
2024年2月27日、大手広告代理店の電通は2023年度の「日本の広告費」を発表しました*1。総広告費は過去最高の7兆3167億円と コロナ禍以前の水準を上回る伸びを見せ、特にインターネット広告の成長がこの勢いを支えたことが報告されています。
またインターネット広告の内訳を見ると動画広告の拡大が顕著であり、前年比の115.9%という結果でした。*2
映像への需要が高まる中、新年度に新しく配属された部署やプロジェクトで映像にはじめて携わるという…方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ、映像制作は専門的な用語や飛び交い様々な要素やスタッフが関わることから、ちょっとしたことで行き違いやトラブルが起きることも少なくありません。
そこで今回のブログでは初めて映像制作に関わる方が押さえておきたい、シンプルだけど重要なポイントについてご紹介します。「カメラが…」「この演出が…」等の専門用語が飛び交う内容ではありませんので初心者の方も安心してご覧ください。
なお、4月24日(水)、26日(金)、30日(火)の3日間「5秒で心を動かす動画広告とは?」と題し、この動画広告があふれる中でいかにスキップされず広告効果を最大化させるかを最新事例と併せて詳しく紹介するウェビナーを開催します。
3日間とも参加無料・入室退室自由となっていますので、ぜひお気軽にご参加ください。
*1: 調査レポート「2023年 日本の広告費」
*2: 調査レポート「2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体詳細分析」
目次
「なぜ映像を作るのか?」を考える
まず大前提として重要なのは何を目的として映像を作るのかを改めて考えることが重要です。
映像に限らず「紙のパンフレット」や「Webサイト」「屋外広告」など広報媒体にはそれぞれ特性があります。本当にやりたいことを達成するためにはこの特性を考慮することが重要です。
極端な例ですが、
- 「商品の機能を細かいところまで伝えたい」
- 「内容理解のために読み込んでほしい」
といった目的があるときに果たして映像が最適な手段でしょうか?
映像は音声やビジュアルが組み合わされることで多くの情報を伝えることができますが、「流れてしまう」メディアです。 何度も見てほしい…、細かいところまで読み込んで欲しいという目的には適さない場合もあります。
そのためアクアスターでは映像制作をご依頼いただいた会社様に対して、その目的ややりたいことをヒアリングしたうえで別の手法をご提案することもあります。
「どんな映像を作ったらいいのか?」よりも、まず「何を目的としているのか?」をしっかりと関係者間ですりあわせたうえで初めて映像制作を選ぶことが重要です。その結果、目的達成により近づくことが期待できます。
「いつ、どこで誰に何を見せるのか?」5W1Hが重要!
文章やスピーチと同じく、映像制作でも「5W1H」は重要です。「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」があやふやだと、ちぐはぐな施策になってしまうので注意が必要です。
例えば
「地方に住む高齢者夫婦に対して訴求するショート動画を拡散させたい!」
という施策は果たして最適と言えるでしょうか…?
少なくとも現状では「拡散されるショート動画」と「地方在住の高齢者」は期待した効果が得られるとは考えづらい組み合わせと言えます。SNSでどれだけ拡散したとしても、本当にそのターゲットには届くのか?を今一度考える必要があります。
(もちろん、ご高齢の方でTikTokが好きという方もいらっしゃると思いますが!)
仮に「地方」「高齢者夫婦」という要素が必須な場合には、TVCMを通した訴求が有効かもしれません。地元の病院や大型スーパーといった場所で見られる映像メディアで、じっくりと見ることができる長い尺の動画広告が効果的かも知れません。
どれだけ話題性のある手段だったとしても「5W1H」がチグハグにならないようにすることが重要です。
参考資料はあくまで「参考」であることを忘れない
映像での広告をやり始めたきっかけとして、既存の動画広告や映像を見ながら「こういうのをやってみたい!」となることも少なくありません。また制作側の目線でも既存映像を参考にすることは、最終的な完成型を事前にすり合わせるためにも有効な手段です。
特に映像のようにデザインやアニメーション、音声といった複数の要素が関係する場合には、共通のイメージを持つことでズレをなくすことができます。
一方、映像が完成した後に、
「なんか参考資料で観た映像と違うんじゃない?」
と、制作者同士やクライアントとトラブルにならないような注意も必要です。
参考資料と全く同じものは作ることができない/作らない
参考資料がどれだけクオリティの高い映像だったとしても、大事な「目的」や「5W1H」が自分たちの映像と違うという点を忘れてはいけません。
参考資料と同じ映像を作ることが大事なのではなく、目的を達成するために最適な映像を作ることが重要なはずです。仮に全く同じ映像を作ったとしても欲しかった結果が得られなければ意味がありません。
また、現実的な目線で言えば「あの映像と似ている」「見たことがあるテイスト」という印象がマイナスに働いてしまうことがあるので、注意が必要です。
参考資料の「何を」参考にしたいのか?を明確にする
「なんか違くない??」というトラブルを避けるためには、参考資料の「何を」参考にしたいのかを明確にすることが重要です。何故この参考資料がイメージに近いと思ったのか、それをどう活かしたいのか?
「目的」と「5W1H」と照らし合わせたときにどう表現できるのか…というコミュニケーションを制作スタッフ同士、またはクライアントと取ることで、参考資料として活用できるはずです。
まとめ
今回のブログは映像制作にこれから携わる…という方向けに、「映像を作る前に」押さえておきたいポイントをご紹介しました。
この段階は家を作ることに例えれば、立てる前の「設計図」を実際に住む人、設計士、大工さんと作り上げる段階です。「設計図」があやふやになってしまっては、どれだけ見た目がキレイでも土台がおぼつかない不安定な家になってしまいます。しかも「住んでみたらなんか違った…」とがっかりした結果にもなりかねません。
まずは映像制作においては事前の「設計図」を作る段階が重要である…という点を抑えるだけでも取り組み方が変わってきますのでぜひ参考にしていただければと思います。
*実際の制作中の現場でのポイントについては後日、別のブログにてご紹介しますのでご期待ください
アクアスターは今回ご紹介したような「目的」や「5W1H」を明確にしたうえで、最適な映像制作のプランやクリエイティブをご提供させていただきます。
制作スタッフには広告業界、TV業界、アニメ業界といった異なるバックグラウンドを持つメンバーが在籍しており、豊富なノウハウを元に一つのやり方に縛られない多角的な視点でご提案させていただきます。
また、制作した映像を効果的にターゲットに届けるための広告運用やSNSの活用についても企画から実際の運用に至るまでサポートさせていただきます。コンテンツとマーケティングの両側面からご提案が可能です。
まずは「5W1H」を明確にするところから相談したい…という場合でも問題ありませんので、お気軽にお声がけください。