インバウンド観光客向けWebコンテンツのポイントとは?
2024/06/12
アクアスターの東京本社がある東銀座・築地エリアは多くの外国人観光客が行き交っており、インバウンド需要の勢いを日々実感しています。その観光客の多くは常に手元にスマートフォンを持ちながら移動している点が特徴です。以前はガイドブックやツアーガイドの案内を参考に日本を訪れていた観光客も、今や自分でWebサイトやSNSを調べて日本旅行を満喫しているといえます。そのため、インバウンド観光客に向けた集客施策や情報提供では「いかに効果的なWebコンテンツを用意するか」が重要です。
今回のブログではこの増加するインバウンド観光客に向けたWebコンテンツのポイントについてご紹介します。
目次
コロナ禍を超える勢いで増えるインバウンド観光客
日本政府観光局(JNTO)が2024年5月に発表した資料*1によると、今年3月、4月に日本を訪れた外国人は2ヶ月連続で300万人を超え、コロナ前のデータを大きく超える結果となりました。
インターネット、特にSNSを通じて東京や京都以外の地方都市が注目されて全体的な底上げがなされたことに加え、海外でも人気な日本の漫画やアニメ関連の「聖地」への訪問なども目立っています。さらにに歴史的な円安が重なり日本旅行が「割安感」のあるお得な旅行先として注目が集まっているのが要因と言われています。
*1:https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20240515_monthly.pdf
インバウンド向けWebコンテンツのポイント
多言語対応
最もベーシックな対応として日本語以外の言語に対応することが挙げられます。インバウンド観光客が来日する前や旅行中もWebサイトで情報収集する以上、この対応は必須と言えます。すでに行政や官公庁といった公的な機関のページや、大手企業のサイトでは対応が進んでいますが民間レベルでこれから…というケースが散見されます。
特に観光客が多い「英語圏」「中国」「台湾」「韓国」といった地域の人々に向けた対応は急務です。機械翻訳やAIによる自動翻訳の活用はもちろんですがWebコンテンツ一つ一つについてはネイティブチェックによる自然な表現に仕上げることも重要です。
この内容で「海外の人が分かるか?」を考える
先ほども紹介した日本政府観光局(JNTO)はグローバルに向けに制作したサイトに関して以下のような点に考慮したことを紹介しています。
収集したすべての画像素材をネイティブ監修者が1点1点チェックを行い、OKが出た画像を反映しました。これは、日本人のコンテンツ編集者やディレクター、デザイナーでは気づきにくい、ネイティブならではの視点をキーイメージの選定に役立てるためです。日本人の「常識的な感覚」を一度忘れて「これを日本についてまったく知らない外国人が見たらどう思うだろう」という視点を持つことが大切だと考えます。
そのうえで、写真を選ぶうえで「漢字が読めないと分からない」「(盆踊りの群衆の写真を魅せて)何をやっているか分からない」といった日本文化に関する知識が前提となるような魅せ方や伝え方は避ける点の重要性を紹介されています。
視覚的な分かりやすさを意識すること
非言語コミュニケーション、特に図解やイラスト、さらにはSNSを通じて動画といったビジュアルの活用は言語対応が難しい場合にも有効です。これは観光客の誘致としてはもちろん、昨今問題になっている観光客と地元住民とのトラブルをさけるための注意事項やマナーの喚起にも有効と言えます。
いわゆる写真映えを狙って「富士山ローソン」が話題になりました。その後、黒い目隠し幕を覆って対策していましたが……どうやら“イタチごっこ”が続いているようです。
「富士山ローソン」問題 黒い目隠し幕にたくさんの穴、なぜ区分けしなかったのかhttps://t.co/pbxl7ACoiW pic.twitter.com/5bEqqSI7aw
— ITmedia ビジネスオンライン (@itm_business) June 5, 2024
このエリアでは何をしてはいけないのかをより分かりやすく、直感的に「ピクトグラム」などを活用して伝えることが重要です。このピクトグラムについてが下記のブログでもご紹介していますので興味のある方はぜひご覧ください。
事例:地域の自動運転サービスをインバウンド観光客にも訴求
アクアスターではWebサイトはもちろん、紙のツール含めた様々な形でデザインを活用してインバウンド観光客への訴求を行っています。
福井県永平寺町レベル4自動運転移動サービス『Zen drive』啓蒙・PRリーフレット
高齢化社会やドライバーの担い手不足といった課題は、日々の人々の移動だけでなく観光客の移動手段の減少にも大きく関わります。この社会課題を解決する次世代の運転技術として注目されているのが「自動運転」です。現在、大都市圏だけでなく日本全国の様々な地域で取り入れられ始めています。
福井県永平寺町及び周辺地域で配布される自動運転移動サービス『ZEN drive』が国内初のレベル4の自動運転運行が開始されたことに伴い住民及び訪れたインバウンド観光客へ向けたPRツールとしてのリーフレットをアクアスターにて担当しました。
リーフレットは英語版を用意することに加えて、イラストを多用することで誰でも分かりやすくイメージしてもらえることを重視しています。
まとめ
今回はインバウンド観光客に向けたWebコンテンツのポイントについてご紹介しました。今後も増え続けることが予測されるインバウンド観光客は、日本経済の重要な要素として期待される一方、オーバーツーリズムと呼ばれる観光客が増えすぎることで起こる問題も指摘されています。
観光客と地域企業・住民がより関係を築くためによりWebでの情報発信やコミュニケーションはよりいっそう重要になると言えます。
アクアスターではこれまでのビジュアル制作の強みを活かして「分かりやすく」「見てみたくなる」Webコンテンツを得意としております。また、ただ見るだけではなくよりユーザーの興味を関心をひきつけるための「体験型Webコンテンツ」の企画から開発までを一貫して対応できる体制を整えています。
まずはお気軽にご相談ください!