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イラストピック

アクアスター技術ブログvol.22 「エフェクト講座【水エフェクト編】」

2023/08/24

こんにちは!

エフェクト好きイラストレーターの太田です。

本日は、ゲームやアニメで使用されるキャラクターに欠かせない「エフェクト」の作画フローをご紹介していきたいと思います。

今回は「水エフェクト」編です!

相変わらず暑いので…少しでも涼しげな気分になりますように!

キャラクターをもっと魅力的に演出したい、質感表現のスキルを上げたいイラストレーターの方に加えて、ゲームや広告のアートディレクターの方もディレクションの参考にしていただけると嬉しいです。

キャラクターを取り巻くエフェクトの役割

まず、そもそもキャラクターのエフェクトには2つの役割があると考えています。

一つ目は「属性表現」です。

火・水・草など、キャラクターが沢山登場するゲームではキャラクター毎の属性表現は欠かせません。ゲームの中で上キャラ同士の相性等がある場合は特に、ユーザーにとって属性をわかりやすく表現することが重要です。

例えば今回取り上げる「水」の属性であれば色や流れる水の表現で、一目で水と分かる特徴をしっかり抑えて造形デザインをしないと、説得力に欠けてしまいます。

二つ目は「空間表現」です。

キャラクターのまわりにエフェクトを用いて「空間」を描くことで、スケール感や臨場感がアップします。

以上の2点を押さえながら、下の「ネオン」のキャラクター絵に「水エフェクト」を作画してみます!

制作フローを一挙公開

今回は下記の5つのフロー毎に、注力しているポイントを紹介していきます。

  1. イメージラフ
  2. ベース作成
  3. 立体感の作画
  4. 質感アップ
  5. 仕上げ

イメージラフ

まずはキャラクターのまわりにどのようにエフェクトを構成するかを考えます。個人的には、実はここが一番難しい…と思っています。

ここで一番やってはいけないことが、エフェクトでキャラクターが見えなくなることです。特徴的なデザインを隠さないように、ポーズに合わせて、画面に対してバランスよく構成を考えます。

特に今回取り上げる「水」はいろんな形に表現できるところが最大の魅力です。

足元から湧き上がるように発生し
しなやかな流れになり、飛沫となって背後へ回り込む
武器(今回はコントローラーですが…)には透き通るような水のエネルギーが集約

イメージラフを制作する時には、このように自分の中で流れやストーリーを考えて、構成を切ると、楽しみながら頭の中を整理することができます。

ベース作成

構成が決まったら、エフェクトにベタで色を置いてみます。実際に色を置くと、質量感が分かります。この時にキャラクターの「手前」と「奥」を明確に分けておくのがポイントです。

また、エフェクトのシルエット(輪郭)で水の流れの速さや勢いも表現できます。今回の絵では勢いのあるところ(足元)→細かめに、緩やかなところ(キャラ手前)→大きめに、など飛沫の形状や密度に差をつけると緩急が演出できます。

※途中でキャラクターとエフェクトを全面黒ベタのシルエットにして、質量のバランスを確認します。キャラクターとエフェクトが重なりすぎて、何のキャラクターなのかが分からなくならないように注意しましょう。

立体感の作画

エフェクトのシルエットが決まったら、立体感をつけていきます。光源に合わせたハイライトはもちろんですが、「水」は透明で乱反射しているので「反射光」をイメージして、影の中にもハイライトを入れる感覚で描くと透明感が出ます。

質感アップ

ある程度立体感・質感が描けたら、水の質感をさらにブラッシュアップしていきます。

1:さらに強いハイライトで、水の透明感・反射感を演出

思い切ってさらに強いハイライトを入れ、コントラストを高めると質感が上がります。規則的に入れすぎると「金属」らしい質感になってしまうので注意です。

2:大きくグラデーションを用いて、立体感をさらに強調する

ハイライト部分はPhotoshopのスクリーンモード影部分は乗算モードでのグラデーションが効果的です。

3:武器(コントローラー)まわりのエフェクトは透ける加工を

水はやはり透明感が大事です。部分的に透けた表現も取り入れると、説得力が上がります。今回はスクリーンモードやマスクを活用し、透明感を演出してみました。

仕上げ

この工程までくれば完成までもう一歩です!

エフェクトは完成しましたが、キャラクターへ水の環境光を反映することも忘れないようにしましょう。

足元に青い光感を足し、上部エフェクトの発光感を強めるために、頭部を中心に反射光を加筆して、全体感を整えました。

…やっと完成です!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はエフェクトの作画におけるポイントやフローをご紹介しました。

イラストレーターの方はキャラクターだけでなく、様々な質感やモチーフが描けるようになると、イラスト制作はとても楽しくなり、クオリティの向上に繋がりますので是非参考にしていただければと思います。また、アートディレクターの方やキャラクター制作を依頼する立場の方も、エフェクトに着目するとよりキャラクターの個性を引き出すことができます。

今回の記事を見ていただき、様々な「エフェクト」に注目してみるきっかけになっていただけたら嬉しいです。

アクアスター技術ブログvol.21「食欲を刺激する!シズルテクニック」

なお、以前には食べ物を美味しそうに見せる「シズルテクニック」についても取り上げています。またさらに違ったモチーフのテクニックの参考にしていただければと思います。

アクアスターでは今回ご紹介したように、エフェクトの細部までこだわったゲームキャラクターの制作を行っています。オリジナルキャラクターから有名アニメ版権のキャラクター制作まで幅広く対応可能ですので、是非お気軽にお声がけください。

アクアスターのゲームイラスト制作についてはこちらから

また、ゲームやアニメのキャラクターを活かしたプロモーションの企画から制作までも一貫して対応可能です。商品やサービスのコンセプトからオリジナルキャラクターや漫画の制作を行うことや、相性のいい人気アニメとのコラボまでご提案いたします。

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