ゲームイラストの需要はどう変わった?ゲームの進化と併せて紹介
2023/09/07
前回のブログでは、ゲーム業界全体の動向についてご紹介しました。
海外・国内市場ともに現在ゲーム市場の中心になっているのが、モバイルを中心とするオンラインゲームです。そして、これらのゲームでは魅力的なキャラクター等のイラストやビジュアルが欠かせない要素の一つと言えます。
モバイルゲームが世の中に普及し始めた時から現在に至るまで、ゲームシステムの進化や流行と並行して、ゲームイラストに求められる要素も日々変化してきました。
今回のブログでは、主にゲームイラストの需要の変化について、国内のトレンドを中心にご紹介します。
目次
2011年~:厚塗り/美麗系/ダークファンタジー
フィーチャーフォン、いわゆるガラケーで遊べるモバイルゲームが広がった当初はゲーム内で使用されるアイテム等のシンプルなイラストが主流でした。
イラストの需要が大きく増えたのは、2011年にリリースされた『神撃のバハムート』に代表される「厚塗り」や「美麗系」と呼ばれる重厚なテイストの流行からでした。
当時のモバイルゲームでは、キャラクターのカードをコレクションし、敵と戦ったりプレイヤー同士で対戦したりするシステムが主流でした。そのため、ゲームイラストでもより強いキャラクターや魅力的なキャラクターのプレミアム感が意識されていました。
2012年~2013年:SDキャラ/ユニットキャラ
2012年以降にはスマートフォンの普及とともに、モバイルゲームも様々な遊び方ができるようになりました。現在も大ヒットしている『パズル&ドラゴンズ』(2012年)、『モンスターストライク』(2013年9月)といったタイトルがリリースされたのもこの頃です。
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パズルやアクション要素を組み合わせたタイトルも増え、ゲームの中で使われる「SDキャラ」や「ユニットキャラクター」と呼ばれるイラストの需要が増えました。
デフォルメされた頭身や、正方形のフレームの中でキャラクターの個性や迫力を出すかという点が重要視されたのが特徴です。
2013年~2014年:RPG風・ライトノベル風キャラクターイラスト
また、2013~14年以降になると、日本国内で人気の『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』、『テイルズシリーズ』のように、ストーリーとキャラクター性を意識したRPGタイトルが立て続けにヒットします。イラストも「厚塗り」や「美麗であること」だけでなくキャッチーに分かりやすく、ストーリーやキャラクター性を重視して描かれました。
『グランブルーファンタジー』(2014年)や『チェインクロニクル』(2013年)等の人気タイトルが発売されたのものこのころです。それぞれ、手描きのタッチを感じさせる独特なタッチとストーリーの世界観がマッチして大ヒットしました。
『魔法使いと黒猫のウィズ』(2013年)や『白猫プロジェクト』(2014年)といった人気タイトルのリリースも同時期です。独特なタッチだけでなく、日本のライトノベルやアニメーションを彷彿とさせる色味やタッチでより親しみやすく、広いユーザーへの訴求も意識されました。
アクアスターでも『白猫プロジェクト』のキャラクターイラストを担当させていただきました。
2010年代:版権タイトル/コラボイベントイラスト
モバイルゲームが広まった当初から人気なのが漫画やアニメを原作とする版権タイトルです。2010年代前半のガラケーで遊ぶゲームでは、過去の人気漫画やアニメのタイトルが中心となっていましたが、ユーザーの増加や市場そのものの拡大に伴い、現在放送中のアニメをゲームとして同時にリリースするなどの展開も増えてきました。
この版権タイトルでは、原作の魅力を再現しつつゲームオリジナルの要素を版元やファンが納得するレベルでイラストを制作することが求められました。
*アクアスターでは『カードキャプターさくらリペイントレコード』ゲーム内イラストを制作させていただきました。
また、モバイルゲームにキャラクターとして人気アニメ・漫画のキャラクターが登場する「コラボイベント」が増えてきます。作品のファンがコラボをきっかけにゲームを知り、アプリのダウンロードや新規のユーザー増加を促進させる狙いです。
2010年代後半~:アイドル育成ゲーム/ライブシーンやストーリー性を感じさせるイラスト
2010年代の後半から勢いを増したのがアイドル育成ゲームです。アイドルの魅力を引き出すために、日常のふとしたシーンを描くイラストや華やかなライブシーン等、背景含めたドラマチックな1枚絵に対する需要が増えました。
キャラクターイラストだけでなく、アイドルの衣装やライブステージのデザイン等需要が多岐に渡ることも特徴です。
アクアスターではゲームイラストはもちろん、『ラブライブ!』を初めとするCDジャケットのイラストなども担当させていただきました。
2020年代:需要の細分化
2020年頃にはパズルゲームやRPG、アイドル育成ゲーム等の様々なシステムのゲームがヒットするようになり、イラストに対する需要もさらに細分化しました。ここでは注目すべき傾向の2つに絞ってご紹介します。
3DCGの関わりが強くなる
2021年にリリースされ、現在も大ヒットしている『ウマ娘プリティーダービー』は育成システムやストーリーもさることながら、キャラクターのイラストがそのまま動いているような3DCGでも大きなインパクトを残しました。
「ウマ娘」が走るレースシーンの迫力に加えて、レース後の華やかライブも魅力的な3DCGが印象的です。前述のアイドル育成ゲームでも2Dのキャラクターイラストから3D化、ライブシーン等でイラストと違和感なく動くキャラクターを見ることも主流になってきました。今後はこのようにリッチな3DCG化を前提としたキャラクターデザインやテイストも増えることが予想されます。
NFTとして制作されるイラスト
NFTは「Non-Fungible Token」(非代替性トークン)の頭文字を取った言葉です。端的に言えばデジタルデータでありながら、複製が不可なことが保証されている唯一無二のデータを指します。このNFTの信用を保証しているのが、いわゆるブロックチェーン技術です。
ブロックチェーン技術は仮想通貨の管理などにも使われている技術で、ネットワークの中に参加しているメンバー全員が常に共同で管理していることで仮想通貨やNFTの資産としての信用を保証し、取引の不正を防止しています。現在、このブロックチェーンを活用したブロックチェーンゲーム(NFTゲーム)が徐々に広がっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はゲームイラストの需要の変化についてご紹介しました。ガラケーからスマートフォンへのデバイスの進化やゲームシステムの多様化に伴い、人気となるゲームイラストも変化しています。
アクアスターでは、様々なオーダーに経験豊富なアートディレクターと30人以上のイラストレーターチーム、プロジェクト進行を支える進行管理の体制でご提案いたします。オリジナルタイトルから人気版権まで様々なテイストの対応が可能です。
既存・新規のタイトル問わず、トライアルから可能ですのでお気軽にお声がけください。
また、ゲーム開発で必要なビジュアルの制作だけでなく、プロモーションに関してトータルで支援できることもアクアスターの特徴です。ゲームのPV制作からSNSを活用したキャンペーン施策の設計と運用もご提案します。ゲーム開発の現場を知った上で、デジタル施策からリアルイベントまでファンに刺さるトータルプロモーションをご提案させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。