【2024年上半期】 話題になった動画広告 ～「ネットミーム」「CGとAI」～
2024/09/06
2024年度もすでに9月、折り返しを迎えた中で早くも様々な動画広告が話題となりました。そこで今回は2024年に公開されたCMやWebCMなどで話題になった動画広告とその傾向について２つのテーマに絞ってご紹介したいと思います。
目次
話題になった「ネットミーム」を取り入れる
動画広告が注目されている要因の一つがオンライン上での動画視聴時間そのものが増加している点は前回のブログでもご紹介しました。そこで注目されているのが、SNSや動画共有サイトを中心に話題になったいわゆる「ネットミーム」の取り込みです。
「ネットミーム(インターネットミーム)」とは
主にインターネット上で流行した画像や動画、特定の文章や言い回しを指します。コンテンツそのものが広がることはもちろんですが、それを見たユーザーがそれぞれ自分なりにアレンジしたり別のコンテンツと組み合わせることで、さらに拡散されます。最近では様々なネコの映像や鳴き声、それを既存の音楽と組み合わせた「猫ミーム」を扱った動画が流行し、YouTubeやTikTokなどで見た…という方もいらっしゃるかも知れません。
「ニコニコ動画」世代のネットミームが再び
2024年になって、動画共有サイト、特にニコニコ動画等でかつでネットミームとして話題になったコンテンツをベースとした動画広告が大手クライントから続けて発信されたことで改めて話題を読んでいます。
マクドは大変なものを作っていきました#サムライマック #トリプル肉厚ビーフ pic.twitter.com/Oe45fI5xcn
— マクドナルド (@McDonaldsJapan) August 21, 2024
日本マクドナルドの公式Xが「サムライマック トリプル肉厚ビーフ」のPRとして投稿したこちらの動画は、元々2000年代前半にニコニコ動画を中心にネットミームとして様々な派生作品を生んだ「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」がベースになった動画です
いわゆる「元ネタ」の動画のボーカルの方が担当するなど徹底したこだわりぶりで、当時を知るネットユーザーを中心に大きな話題呼びました。（2024年９月６日時点で28万いいね/4380万インプレッション）
2024年9月に日清カップヌードルの公式Xで公開されたこちらの動画も、先程のMcDonaldの事例と同様にニコニコ動画を中心にネットミームとして拡散されたゲームソフト『El Shaddai -エルシャダイ-』(2011年発売)の動画とのコラボ動画になっています。
映像内の「そんな装備で大丈夫か？」がゲームソフトの発売前にもかかわらずネットミーム化し、当時のネット流行語大賞にも選ばれていました。この公開後動画はXを中心に瞬く間に拡散され、公開から3日間で46万回再生に達しています。
最新技術で偉人・有名人が映像の中に蘇る
近年のカメラやCGといった映像技術の発達が動画広告のクリエイティブに大きな影響を与えてきたことはもちろんですが、近年ではAIの進歩も動画広告に大いに影響を与えています。
【ヤクルト公式】Yakult（ヤクルト）1000：「坂本龍馬」篇６０秒
2024年の1月に公開されたこちらの動画は幕末の志士である坂本龍馬の姿をCGで再現するだけでなく、AIを活用してその顔姿から「声」も再現したということで大変話題になりました。
【AQUOS R9】「本当のこと」篇 TVCM放映バージョン
SHARPが展開するスマートフォンシリーズ「AQUOS」のブランドアンバサダーとして1989年に惜しまれつつも亡くなった昭和の名優、松田優作が高精細の3DCGとこちらもAIで声を再現することで蘇ったCMです。
「松田優作がスマートフォンを持っていたら…」という実際にはあり得なかったシチュエーションや新しい台詞が含まれていることで松田優作に馴染みのない若い世代にも話題を呼びました。
まとめ
今回のブログでは2024年になって話題になった動画広告と、その傾向についてご紹介しました。
ネットミームといういわば「知っている人は知っている」という限定的なモチーフだったとしても、媒体やターゲットが明確であることで大きな反響を呼んでいることが印象的でした。また、AIの発達が、これまで見たことも無かったような映像表現を生んだことも今後に期待したい部分とも言えます。今回ご紹介した事例は、あくまでほんの一部にすぎませんのでまた年末・年度末には改めて特集できればと考えています！
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