対話型キャラクターとは?AIを活用した新たな顧客体験
2025/11/13
企業や団体のマーケティング・ブランディングにおいて、キャラクターは今や欠かせない存在です。オリジナルキャラクターの制作や、人気キャラクターとのタイアップなど、その活用法は多岐にわたります。
そうした中、昨今の技術進化によって特に注目されているのが「対話型キャラクター」です。 本記事では、この「対話型キャラクター」について詳しくご紹介します。
キャラクターの活用事例や、新しいマーケティングの切り口をお探しの方は、ぜひご一読ください。
目次
対話型キャラクターとは?
従来のキャラクター活用は、テレビCMやポスターなど「一方通行」の情報発信が中心でした。キャラクターが企業や団体の代弁者として、メッセージを発信する役割が主だったといえます。
また、SNSなどで見られる従来のチャットボットも、その多くは用意された文言やカテゴリにのみ反応する「自動応答システム」の域を出ないものでした。
今回ご紹介する「対話型キャラクター」はAI、特に生成AI(大規模言語モデル)を搭載することで、ユーザーの言葉に応じて自然な会話ができることが最大の特徴です。

なぜ今、対話型キャラクターが注目されるのか?
では、なぜ今、この対話型キャラクターが注目を集めているのでしょうか。背景には、大きく二つの要因があります。
AI技術の飛躍的な進化
最大の理由は、生成AIの急速な発展です。従来のAIは、膨大なデータから特定の答え(正誤や有無など)を導き出すことは得意でしたが、文脈を理解した自然な会話や創造的な応答は苦手でした。
しかし、近年の大規模言語モデル(LLM)は、非常に人間らしく柔軟なテキストを生成できます。この技術の応用により、キャラクターが持つ膨大な背景設定(口調、性格、過去のエピソードなど)をAIに学習させ、一貫性を保ったまま自由な会話をさせることが可能になったのです。
「もし、キャラクターと自由にコミュニケーションできたら」
「もし、社員の代わりにキャラクターが対応してくれたら」
このような、頭の中で想像していた体験が、技術の力で現実のものとなりました。だからこそ今、大きな注目が集まっています。

パーソナライズを求めるユーザーニーズ
もう一つの要因は、ユーザー側の変化です。私たちはここ数年で日常的にSNSや検索エンジンを使いこなし、自ら求める情報にアクセスできるようになりました。
画一的なマス広告をただ受け取るだけでは満足せず、より「自分ごと化」できる情報を求めるようになったとも言えます。そのため自分の悩みや興味関心に寄り添ってくれる、よりパーソナライズされた(個人に最適化された)体験へのニーズが非常に高まっています。
この「AI技術の進化」と「ユーザーニーズの変化」に、対話型キャラクターが注目される理由があると言えます。
【目的別】対話型キャラクターのAI活用事例
対話型キャラクターの活用法は、現在その目的に応じて大きく二つに分類できます。
事例1:対話型キャラクターの機能性を重視した活用
これは、主に業務効率化や顧客満足度の向上を目的とした活用法です。「デジタルヒューマン」や「AIアバター」と呼ばれることもあります。
受付/案内係としての活用
ビルや商業施設などで、サイネージを通してキャラクターが案内係として音声や文字入力を通じて対応します。多言語での対応や24時間対応も可能であることから、利便性が増えるだけでなく人員の配置も最小限で人手不足の解消にも貢献します。
2020年3月に49年ぶりに山手線の新駅として開業した高輪ゲートウェイ駅では、AIで多言語対応する「小石川 彩」がサイネージを通じた案内を行うことが発表されました。
Webサイト上のアシスタント
チャットボットとは異なり、より人間らしい自然な会話で、ユーザーの疑問を解消し、最適な商品やサービスページへ誘導します。離脱率の低下やコンバージョン(成約)率の向上に繋がります。
ヨーロッパ最大級の電気通信事業者であるドイツテレコムでは「セレナ(Serena)」と呼ばれるデジタルヒューマンアシスタントを採用し、24時間顧客からの問い合わせに会話を通じて対応しています。
事例2:キャラクターの魅力と親しみやすさを重視した活用
こちらは、ファンや顧客との関係性を深めたり、ブランドへの愛着を高めたりすることを目的とした活用法です。
人気キャラクターとの会話: アニメやゲームといった既存の人気キャラクターと、ファンが1対1で会話できる試みも広がっています。ファンは自分の好きなキャラクターと自然な会話を交わすことで、「自分だけに向けられた会話」という強力な承認欲求が満たされます。
「デジタル声優アイドル」として人気の「22/7(ナナブンノニジュウニ)」では公演やグッズ販売の店頭でキャラクターから呼びかけられ、その呼びかけに応答すると自然な会話ができるというデモの実証実験を行っています。
福島県飯坂温泉観光協会(温泉駅前観光案内所)でAIアバターに変身した温泉むすめのキャラクターが観光案内!AI対話型応対ソリューションを活用 https://t.co/69BqdNJeyC#温泉むすめ #温むす
— 温泉むすめプロジェクト 公式 (@onsen_musume_jp) February 14, 2025
また、日本全国の温泉をキャラクター化した「温泉むすめ」が実際の温泉地でAIを介して多言語で観光案内を行う、といった試みも行われています。
この分野では情報の正確性や利便性に加えて、会話を通じてよりキャラクターの魅力やそのブランドに対して親しみを増すことが期待できます。
まとめ
今回はAIを活用した「対話型キャラクター」についてそのメリットや特徴、事例についてご紹介しました。効率的な情報伝達が可能といった側面だけでなく、キャラクターとの会話を通じでサービスやブランドへの愛着を増す効果があることも分かりました。
なお、AIを活用した「対話型キャラクター」をはじめとする様々なコンテンツを実際に体験できる展示会が2005年11月17日(月)から銀座松竹スクエアビル7Fにて約1ヶ月に渡り開催されます。

多彩なキャラクターたちがAIと連動し、皆様の悩みに寄り添いながら最適な解決策を提案するコンテンツを展示予定です。次世代のコミュニケーションデザインを、体験を通じて感じられる内容になっています。
「AIやキャラクターに興味はあるけれど、どう作っていけばいいか分からない」
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といった場合でもお気軽にお問い合わせください。
クリエイティブと開発、プランニングまで一貫したチームのアクアスターだからこそできるご提案で課題解決してまいります。