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イラストレーション

アクア技術ブログvol.2 「写真合成におけるトンマナの重要性」

2020/11/17

こんにちは!アクアの林です。入社8年目のイラストレーターで主に広告用のカンプ・イラスト制作を担当しています。
このブログでは僕が仕事で学んできたphotoshop技術やイラスト制作に関するコツを数回に渡って紹介していきたいと思います。

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今回は8月の記事に引き続き写真合成を自然に行うためのコツをご紹介します。
第2回目のテーマは「トンマナの重要性」です!

グラフィックやWebの制作現場で画像合成を行うデザイナーの方は勿論、イラストレーターの方でPhotoshopを活用される方も参考にしていただければと思います。

トンマナとは?

僕たちが仕事で広告のプレゼン用にイメージカンプを制作する場合、イラストでの制作に加えて人物写真や背景写真を組み合わせた画像合成によるカンプも制作する場合があります。その際には事前に「トンマナ」をしっかりとイメージします。

トンマナとは「tone(調子や色調) & manner(様式や作風)」を略した呼び方です。主にはデザインや映像制作、コピーライティング等様々なクリエイティブの場面におけるルールや規則を指した言葉とされています。

トンマナはブランディング・認知拡大において重要

例えば同じ商品のキャンペーン広告なのに、CMとポスターでは何故か使っている色味やフォントのイメージが違う…となってしまっては、消費者は混乱してしまい別の商品と勘違いしてしまうかもしれません。せっかく認知拡大を目的としてもその効果は薄れてしまいます。

商品だけでなく、企業のブランドそのものにも「トンマナ」は存在します。企業がもつブランドイメージを守るためにも一貫したトンマナがあり、そのわかり易い例としては企業ロゴなどが挙げられます。企業ロゴにはその表示のされ方や色味の変更を行う際に厳密なルールが課せられています。これも企業の顔として、ブランドを守るためにもトンマナを意識した施策の一つと言えます。

クライアントが求めるトンマナを把握する

プレゼン用に制作するカンプに関しても、広告で扱う商品やそのクライアントが持つトンマナを把握し、最終的にどういった仕上がりの絵を求めているかを事前にすり合わせることが重要です。適切な資料や素材を収集し、トンマナを意識した仕上がりを目指しましょう!!

今回は女性のバストアップ、夏のキラキラした浜辺での爽やかなシチュエーションとして設定します。

トンマナを意識した写真合成の制作手順

資料収集

今回は夏の日中のためイメージに近しい資料や素材を収集していきます。同じ夏の浜辺を撮影した写真でも、画面が暗く日差しを感じにくいもの・時間帯が夕方に近く逆光気味のものはNGです。

前回の記事でもご紹介しましたが
複数の参考写真を用意して制作に望むことでより説得力のある画作りを行うことができます!また人物だけでなく背景の写真も探してイメージを固めていきます。

▼夏らしい配色や光の加減の資料をフォトストック等で収集

元写真用意

それでは今回使用する人物・背景・そして帽子の元となる写真を用意し、配置します。

基本的にはパスツールを用いて選択範囲を作成、切り抜き後1枚にまとめます。ざっくり組むとこんな感じです。

背景調整

背景写真を調整します。
続いてPhotoshopの機能であるぼかし(レンズ)を用いて人物にピントを合わせたような処理にします。その後[レベル補正][色相・彩度]を用いて画面を明るく調整しました。夏らしい爽やかなトンマナを意識してください。

その後、モノクロにしたパーティクルの画像を用意しレイヤーモード[スクリーン]で上から乗せ、光の反射を表現します。これで背景の調整は完了です。

人物調整

今度は人物をなじませるために帽子が落とす影を描写します。

資料を見ると、帽子に遮られる形で影が落ちているのが分かります。こちらを参考にレイヤーモード[乗算]、低彩度の赤系でブラシを乗せます。

次に肩~胸にあたる日の光を表現します。[覆い焼き リニア(加算)]レイヤーを作成してブラシで明るい色を乗せます。
その際にレイヤースタイルで「透明シェイプレイヤー」のチェックボックスを外して発光感を強調させます。(詳しくは前回の記事を参考にしてください)

こちらも制作の際には資料をよく観察します。新規で[覆い焼き リニア(加算)]レイヤーを作成、麦わら帽子が落とす光を描き込みます。

これで人物の調整は完了です。

帽子調整~仕上げ

[レベル補正]と[色相・彩度]で帽子全体を明るく調整した後、肩部分同様 [覆い焼き リニア(加算) ]レイヤーを作成し明るい色を置きます。
続いて帽子のつばの内側にレイヤーモード[オーバーレイ]で明るいオレンジ色を置いて光に透けている感じを演出します。

これで帽子の調整は完了です。真夏の強い日差しを帽子や服が白く飛んだトーンで表現してみました。

その後、右上からの太陽光を表現するためにフレアを作成します。
新規レイヤーを黒で塗りつぶした後にフィルター>描画>逆光を選択すると下記のようなフレアが生成されます。これをレイヤーモード[スクリーン]で乗せることで日差しをより強調させます。

その後にイメージ>色調補正>トーンカーブなどで細かい色調を調整して完成になります!

完成

今回は以上になります。

まとめ

  • 制作に入る前に様々な資料を集め、クライアントから求められているトンマナしっかりとイメージする。
  • 集めた資料から情報を抽出、効果レイヤーを用いることでその情報を組み合わせより良く再現する。

今回の記事でご紹介したように完成形のトンマナを意識するだけで、バラバラの2D素材をまとめる指針になります。ぜひ積極的に取り入れてみてください。

記事内容で「こんなときはどうすればいいか」「もっと詳しく知りたい」などありましたらぜひご意見ご感想をお寄せください。今後のテーマづくりの参考にさせていただきます。下記のお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ!

ではまた次回よろしくお願いします。

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Topics:イラスト制作,インタビュー

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