進化する自治体Webサイト 活用事例と特徴を紹介
2023/12/14
自治体が開設するWebサイトと言えば、最低限必要な情報をシンプルなデザインで伝えている印象を持つ人も多いかもしれません。しかし、現在では各自治体が情報発信の場としてのWebに注力しており、様々な事例が産まれています。地域ごとの特色も交えながら非常にバリエーション豊かなプロモーションを行っていることが特徴です。今回の記事ではこの自治体によるWebサイト活用について今年2023年の具体体な事例やその特徴についてご紹介します。また、Webサイトと同じく活用が進められている「自治体PR動画」についてはこちらの記事でもご紹介していますので併せて御覧ください。
目次
自治体Webサイトの活用事例
神奈川県相模原市『さがみはらむすび』:シビックプライドの向上
2023年11月24日にリニューアルされて話題になっているのが神奈川県相模原市の「さがみはらむすび」です。相模原市は自分の住む地域に対する愛着や誇りを表す「シビックプライド」という考え方に注目し、全国に先駆けて「さがみはらみんなのシビックプライド条例」という条例の制定を2021年に行っています。
地域の魅力を対外的に発信するPRサイト自体は決して珍しくありません。このサイトの特徴としては、現在相模原市に住んでいる住民へその魅力や共感を呼び起こし、「シビックプライド」の熟成に向けたコンテンツが多く含まれていることです。
相模原市シティプロモーションサイト「#さがみはらむすび」公開
相模原の特色や観光、移住・定住案内のほか、#さがみはらチアリングパートナー スペシャルアンバサダー[#Alexandros]の #川上洋平 さんをはじめ著名人から寄せられたメッセージを多数掲載。
🔗https://t.co/QTguRfWiOO #相模原CP pic.twitter.com/PgmNnG9YNg
— 相模原市シティプロモーション (@Sagamihara_PR) November 24, 2023
外部からの移住促進だけでなく一度住んだ人が定住・継続しての居住してもらうこと、そして同じ相模原市に住む住民同士でもそのつながりが希薄な点を解消することなどが主にその目的とされています。
さらに相模原にゆかりがあり、魅力を発信してくれる方を「さがみはらチアリングパートナー」として採用しており、サイトリニューアル時には人気バンド「Alexandros」も加わっています。
鳥取県AIアバター職員『YAKAMIHIME』:24時間対応可能・学習で進化
メタバースやAIといったキーワードも自治体の施策で頻繁に聞かれるようになりました。特に早い段階からの取り組みとユニークな発想で注目されているのが鳥取県です。
鳥取県では2023年2月に全国の自治体で初の試みとしてメタバース専門の部署である「メタバース課」を設立し話題になりました。
この試みは全国で最も人口が少ない(2023年1月時点)という現状や、コロナ禍を経た観光客減少に対応するためのPR活動として始まりました。住民だけでなく、鳥取県自体に興味関心を持ち観光や消費といった形で関わる「関連人口」、特に若い層の関連人口を日本だけでなく海外に向けても増やすことを目的としています。
[ITmedia ビジネスオンライン]“気まぐれ”さが愛嬌:鳥取県のAIアバター職員「YAKAMIHIME」は何者? 担当者に狙いを聞いた https://t.co/7J4LbN03sQ
— ITmedia (@itmedia) February 9, 2023
このメタバース課の職員第一号として「採用」されたのが、AIアバター職員の『YAKAMIHIME(やかみひめ)』です。彼女はブラザ上で24時間対応できる職員として、チャット形式と多言語での音声入力にも対応しています。
現在は鳥取県職員として県内の情報を「勉強中」ということもあり回答が前後したり誤った返答をすることもありますが、今後AI自身の学習機能等でより進化することが期待できます。
情報発信の方法として、自治体が一方的に発信するだけでなく鳥取県のようにAIを活用してよりインタラクティブ性をもった形で発信することは今後より一般化していくかもしれません。
アクアスターの自治体向けWebサイト実績
アクアスターでも近年、多くの自治体に関わるWeb案件を担当させて頂きました。その代表的な事例を2点ご紹介します。
宇都宮市「スーパースマートシティ宇都宮体験型特設サイト」
2022年11月に宇都宮市が進める「スーパースマートシティ」の市民理解促進を図るための特設サイトをアクアスターにて制作いたしました。サイトの特徴として、様々な世代の市民への認知を広げるため、ユーザーが自分の好きなテイストのデザインを選ぶことができるサイトになっていることが挙げられます。
さらに、サイト内では簡単な質問に答えてくことで「地域共生」や「地域経済循環」といったスマートシティについてのキーワードを学べる診断コンテンツを実装しました。主には一方的な情報発信だけでなく、体験してもらうことで自然な形で市民の理解促進を広げることを目的としています。
神戸市『18歳になったら成人してた件』
こちらは神戸市が行う新成人の消費者トラブルへの啓蒙活動の一貫として制作されたWebコンテンツ『18歳になったら成人してた件』です。アクアスターではサイト全体とゲーム自体の制作を担当しました。選択肢を選ぶことでストーリーが変化していくシミュレーションゲームの形式を踏襲し、人気声優がキャラクターの声を担当するなど若年層が楽しみながら消費者トラブルについて知ることができるコンテンツになっています。
スマートフォンでの利用を意識して縦長の画面レイアウトにするなどより「体験しやすい」コンテンツになることを意識しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は自治体のWeb活用の最新事例の一部をご紹介しました。単なる情報提供にとどまらず、実際に住む市民だけでなく多くの人々が興味を持つような意欲的な仕掛け、いわば自治体の「攻め」の姿勢が伺えるのが近年の特徴と言えます。
アクアスターでは広告業界やエンタメ業界で培ったビジュアル制作の強みを活かしながら、この「体験」「共感」を重視したWebコンテンツの制作を得意としております。行政の取組に対してより認知度を広げたい、地域行事やイベントへ参加する人を増加させたいといったお悩みをお持ちの自治体関係者の方は是非お気軽にお声がけください。
一方でWebサイトは制作しただけでは効果が薄いのも事実です。SNSやPR動画を連動させながら効果的に発信すること、さらにその発信内容にはキャラクターや漫画などのコンテンツを盛り込みながらそもそも「まず、見たくなる」魅力づけが必要です。
アクアスターではこのコンテンツ制作とそれを届ける仕組みづくりを企画から制作まで一貫してご提供が可能です。行政や自治体に関連する情報発信でお困りの際にはお気軽にお声がけください。