抑えておきたいアニメーションの表現技法! 人気作品の事例から紹介
2023/08/08
現在私達が見ている「アニメーション」が生まれたのは1900年代の始めと言われています。200年以上立った今、当初シンプルに手描きの絵を連続して撮影していたアニメは様々な表現技法とともに進化してきました。
今回のブログではテレビや映画館などで上映されている2Dアニメーションを中心にその代表的な表現技法を人気作品の事例と併せてご紹介します。
アクアスターでは主にTVCMやプロモーションに活用されるアニメーションの制作も行っておりますので、ご興味のある方は是非下記のページもご覧ください。資料も無料でダウンロードできますので、気になった方はお気軽にどうぞ!
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目次
アニメーションの表現技法
私達がTVや映画で見ているアニメーションはかつて「セル画」と呼ばれる透明なシートに描いた絵を連続して動かして制作されていました。現在では、セル画ではなくデジタルデータで1枚1枚の絵を描くことがメジャーな方法となっています。また、映像に特殊効果を付ける場合や映像の編集でもデジタル化が進んでおり、昨今のアニメーションの表現ではこのデジタルの活用が一つのポイントと言えます。
3DCGとの融合『チェンソーマン』『好きな子がめがねを忘れた』
アニメーションの表現技法におけるデジタル化の最たる例の一つが3DCGとの融合です。3DCGが普及した当初はセル画の絵と見た目の質感が大きく異なっていたため、同じ画面の中にあると違和感が出る事も少なくありませんでした。そのため、3DCG作品は3DCGのみで作成するなど独立した手法となっていました。
しかし、アニメのセル画にその質感を寄せる「セルルック」といった技術の進歩等で、3DCGの良さと従来の作画で作られたアニメーションの良さを融合させた表現が一般的になりつつあります。
2022年10月から放送が開始された人気アニメ『チェンソーマン』は、登場するキャラクターや背景に3DCGを活用することで作品の独自の世界観を表現しています。
また、『チェンソーマン』は12回の放送回すべてのエンディングテーマと映像が別々に制作されたことも大きな話題を呼びました。この11話のエンディングは背景やエフェクトを3DCGで作成したことに加えて、キャラクターの描写にも3DCGが活用されています。
さらに3DCGの活用で話題になった作品の一つが2023年7月放送開始の『好きな子がめがねを忘れた』です。
放送前に公開されたPVでは学校の校舎内を歩く主人公をアングル大胆に変化しながら捉えるという独特の映像が公開され、SNSを中心に話題になりました。
この映像も3DCGの背景に作画された人物を重ねることで実現した映像となっており、下記の映像でその制作過程が公開されています。
ロトスコープ『かぐや様は告らせたい』『惡の華』
こちらの映像は人気漫画が原作でアニメ化だけでなく実写化もされたことで話題になったTVアニメ『かぐや様は告らせたい』の第3話エンディング映像です。放送当時はリアルに動くキャラクターの動きが大きな話題になりました。
この映像は「ロトスコープ」というアニメーションの表現技法が採用されています。
ロトスコープとは実写の映像を撮影した上でその映像をトレースしてアニメを作画する手法です。通常のTVアニメーションでは、人の動きを簡略化して描写しますが、ロトスコープでは実際の動きを追うため非常にリアルな表現ができます。今回のようにダンスやアクションシーンでは非常にリアリティのある表現ができる一方で工数が大きく増えることも特徴です。
しかし、デフォルメされたアニメキャラクターがそのまま実際の人間の様に動くことで違和感が出ることもあり、微妙な調整も重要です。この「違和感」をむしろ作品の世界観づくりとして活かした作品が2013年に公開されたTVアニメ『惡の華』です。全編がロトスコープで制作されたこの作品は、その独特の描写が話題となりました。
ゲームエンジンの活用『ヒーリングっど♥プリキュア』
また、近年注目されているのがUnreal Engine等のゲームエンジンを活用したアニメーションの制作です。ゲームエンジンとは元々ゲーム開発を効率的に行うためのシステムですがその中でも「Unreal Engine」は3DCGに関する作業を効率的に行えることから、映像制作の現場でも注目されていました。
2004年に放送が開始された人気アニメ『プリキュア』シリーズでは、エンディングに登場人物たちが3DCGによって踊るアニメーションが採用されており、その高いクオリティはアニメ業界を超えて3DCG業界内で常に話題になっていました。
2020年から放送開始した『ヒーリングっどプリキュア』シリーズではアニメーション制作の全編に渡ってUnreal Engineを使って制作されています。
その他:おさえておきたいアニメーション表現技法
最後に、2Dアニメーションに限定せずTVCMや動画配信等の様々な場面で見られるその他のアニメーションの表現方法についてもご紹介します。
ストップモーション
粘土や人形などの物体をコマ撮りしてアニメーション映像を作る技法が「ストップモーション」です。
動かす人形の素材や撮影方法によって独特の質感を表現し、通常のセルアニメ・CGアニメとも違った動き方が特徴と言えます。
テレビなどでは短編アニメの形で見られることが多かったストップモーションアニメですが、ネット配信サービスなどではシリーズものとして大規模に制作されることも増えてきています。
2023年12月にNetflixで公開された『ポケモンコンシェルジュ』は全編ストップモーションで構成されており、大きな話題を呼びました。
また、ストップモーションは作家性の高いクリエイターの方が多いことも特徴です。
2021年に劇場公開された『JUNK HEAD』は一人のクリエイターが7年かけて制作した作品となっており、その独特の世界観が世界的にも高い評価を受けています。
ミニアニメ/ちびキャラアニメ
特にTVアニメシリーズにおいて番外編として、デフォルメしたキャラクター同士の掛け合いなどを描く「ミニアニメ」「ちびキャラアニメ」が多く見られるようになりました。本編終了後に放送されたり、テレビとは別にYouTubeやTikTokといった動画共有サイトでプロモーションの意味合いで展開されたりしています。
本編では見せないキャラクター同士のやりとりがあることでファンをひきつけるのはもちろん、短い尺の動画がメインのため新規の視聴者が作品を知るきっかけとしても機能しています。
アクアスター実績ミニアニメ:TVアニメ『ブッチギレ!』ミニアニメ
2022年に放送されたTVアニメ『ブッチギレ!』のミニアニメ制作をアクアスターでは担当させていただきました。ミニアニメに登場するキャラクターのデフォルメデザインからアニメーション制作までを一貫して対応したこのアニメは、全12話の各話終了後に展開されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は近年のアニメーションの表現技法についてご紹介しましたが、あくまで一部のものに過ぎません。デジタルを活用した事例を中心にご紹介しましたが、伝統的な手描きのアニメにも独特な表現技法が多数存在しており今後はアナログの手法とデジタルの手法がお互いの持ち味を活かして融合していくことも期待されています。
この多彩な表現技法持つアニメーションはご紹介したTVアニメーションだけではなく、TVCMやWeb、SNS等の媒体に特化したものも制作されるようになりました。私達アクアスターでは従来のビジュアル制作の強みを活かして、アニメーション制作の体制を整えております。TVアニメの経験を持つプロデューサーを中心に、媒体やコンセプトに応じた様々なアニメーションの制作が可能です。プロモーションやブランディングの一環でアニメーションを活用したい!という方は是非下記のページをご覧ください。
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