成長するゲーム市場の中心『コアゲーマー』の実態を調査!
2024/04/18
昨年2023年12月に公開された調査結果*1によるとゲーム市場の売上は全世界で1840億ドル(約26兆円)、前年比で0.6%の成長と報告されています。特筆すべき点として、モバイルゲームが全体の約5割弱を占めている一方で、その売上は-1.6%と減少がみられたことが挙げられます。
一方、モバイルゲームが微減する中で、ゲーム市場の全体成長を支えたのがPlayStation/Switch/Xboxといったコンソールゲーム(ゲーム専用機)やPCで遊ぶゲームの成長です。特にPCゲームは昨年度と比較して5%強の成長を見せておりその勢いが伺えます。
この成長を支えているのがいわゆる「コアゲーマー」と呼ばれる熱狂的なゲームユーザー層です。普段使っているスマートフォンで気軽に遊べるゲームだけでなく、ゲーム専用機や数十万円もするゲームプレイに特化した「ゲーミングPC」を購入して日々何十時間、何百時間とプレイしている…そんなユーザーがこの成長を支えたといえます。
今回のブログではこの市場を牽引する「コアゲーマー」と呼ばれる層の実態について、ゲーム関連のビジュアルや広告宣伝も手掛けるアクアスター社内のコアゲーマーを中心に調査、深堀りしていきます。
ゲームファンに向けた商品やサービスの企画・開発、またはゲーマーをターゲットにしたプロモーション施策を検討している広告宣伝担当の方、(だけど正直ゲームはあまりやらないし、ゲーマーのことも良くわからない…)という方にこそ読んでいただきたい内容となっていますのでぜひごらんください。
*1:Newzoo’s year in review: the 2023 global games market in numbers
目次
調査対象:20~30代の男女社員
今回は主に20~30代のアクアスター社員を中心に、特にゲーム専用機やゲーミングPC保有して日常的にゲームを遊び、さらには[Steam]*2や[インディーゲーム]*3といったコアゲーマーならピンとくるキーワードにも敏感なメンバーにヒアリングしました。
*2:Valve社が運営する世界最大級のPCゲーム販売プラットフォーム
*3:主に個人や小規模なチームによって開発されたゲームの総称
どんなタイトルを遊んでいるか?(2024年4月現在)
現在はどんなゲームタイトルを遊んでいるのか?という点について聞いてみました。
「コアゲーマー」と一言で言ってもプレイするタイトルは多種多様
『鉄拳8』『FootballManager24』『FF7R』『ユニコーンオーバーロード』『Overwatch2』『レインボーシックスシージ』『ホグワーツ・レガシー』『サイバーパンク2077』『崩壊:スターレイル』『プロジェクトセカイ』『Slay the Spire』etc
こちらが今回調査対象としたメンバーから声が挙がった「今、遊んでいるゲームタイトル」です。
まず結論として言えるのは「コアゲーマーだったらこのゲームはやっている」と一括りにすることが難しいということです。大手メーカーから発売された人気シリーズの最新作をプレイしている人もいれば、以前に発売してプレイできていなかったゲームを改めてやっている…という人もいます。
近年では映像や音楽と同じく、ゲームにもサブスクリプションサービスが浸透してきました。そのため過去の名作を月々の料金を支払うことでいつでも遊び放題になったことで、「前に気になったゲーム」を気軽に遊べるようになったことも影響していると思われます。
複数のメンバーから名前の挙がった数少ないタイトルの一つが2024年3月に株式会社アトラスから発売された『ユニコーンオーバーロード』です。美麗な2Dグラフィックスと戦略性の高いシミュレーションゲームとして話題となり、発売からわずか一ヶ月で全世界発売本数が50万本に達するなど大ヒットを見せています。
コアゲーマーは複数のゲームを並行して遊ぶ?
また、傾向として「同時に複数のタイトルを遊ぶ」ということが挙げられます。ヒアリングしたメンバーの中に
「『Overwatch2』*3を友人と遊んで、みんなが解散したあとに一人で『ぷよぷよテトリス』*4を遊びますね」
というメンバーも居ました。
複数のプレイヤーで遊ぶゲームと、一人で黙々と遊ぶゲームそれぞれにお気に入りのゲームがあり、それを並行して遊ぶスタイルも少なくありません。
*3:2022年Blizzard Entertainmentから2022年10月から運営が開始された基本プレイ無料のオンライン対戦ゲーム。ジャンルは「チーム制ヒーローシューター」と呼ばれており、「ヒーロー」と呼ばれるそれぞれに個性があるキャラクターを操作して5人一組で戦います。その戦略性の高さから世界中で人気となったタイトルです。
*4:人気パズルゲームの『ぷよぷよ』と『テトリス』のルールを融合させたパズルゲームとして2014年2月に株式会社セガから発売されたタイトルです。
ゲームプレイ時間は通勤途中~平日夜~休日
会社勤めのメンバーのみということもあり、おおよそのメンバーが「通勤途中にはスマートフォンのゲームを遊んで、平日は帰宅後ほぼ毎日ゲームしている」という回答が多くを占めました。
また、スマートフォンで遊ぶタイトルも様々ですが、先日のブログでも紹介した『崩壊:スターレイル』のように複数のプラットフォームで展開されているタイトルをスマホで遊ぶ傾向も見られています。
また、特に集中してゲームするタイミングとして休日の前の晩、金曜日の夜には集中して長時間に渡ってプレイするメンバーが多く見受けられました。
GWに遊ぶタイトル:最新作や映像化された作品をプレイ
今月末から開始するゴールデンウィークは、コアゲーマーにとってはプレイ時間が確保できる貴重なタイミングです。そこでこの連休中にはどんなタイトルをプレイしたいと思っているか…?という点も聞いてみました。
- 『鉄拳8』
- 『龍が如く8』
- 『リーグ・オブ・レジェンド』
- 『Rise of the Ronin』
- 『ドラゴンズドグマ』
- 『The Planet Crafter』
- 『Revival: Recolonization』
- 『サブノーティカ』
- 『Fallout4』『Fallout76』 etc
こちらもどれか一つのタイトルに極端に集中するということはありませんでしたが、『龍が如く8』と『Falloutシリーズ』の2タイトルが複数のメンバーから上がりました。
『龍が如く8』
『龍が如く8』は2005年にシリーズ第1作が発売されて以来、国内外で人気を誇るシリーズの最新作です。歌舞伎町や道頓堀といった実際に存在する街をリアルに再現しながらも、ドラマチックなストーリーと爽快なバトルで人気を博しておりこの最新作の『8』も2024年1月に発売されて以来発売から約1ヶ月で全世界で発売本数が100万を超えました。このタイトルを「気になっていたけどようやくまとまった時間が取れるからやりたい!」という声も多いようです。
『Falloutシリーズ』ゲームの映像化も今後はポイントか
一方、全く違う角度で声が上がったのは『Falloutシリーズ』です。このゲームは核戦争後の荒廃したアメリカを舞台に、広大なマップでの自由度の高いゲームプレイが楽しめるオープンワールドRPGとして全世界で大ヒットしました。
最新作として『Fallout76』が2018年に発売されて以降6年以上経過した作品ですが、「Amazonプライムビデオ」でドラマ化されたことで再度大きな話題になり『前にプレイしてみたけどまたやりたくなった』『ドラマを見て、ゲームもプレイしたくなった』というユーザーが急激に増えています。
実写ドラマ効果が炸裂か。Steamの『Fallout』シリーズプレイヤー数が急上昇中!https://t.co/77BcLH1CE5
4月11日の実写ドラマ版配信以降、プレイヤー数が大幅に増加しています。 pic.twitter.com/7Ba9EAdO8b
— ⚡Game*Spark⚡ (@gamespark) April 14, 2024
人気ゲームの映像化は海外の動画配信サイトを中心に行われており、今後も様々な人気ゲームが映像化されることで盛り上がりを見せることも予想されます。
『ゴッド・オブ・ウォー』と『Horizon Zero Dawn』の実写ドラマ版は脚本執筆中。ソニーがCES 2024で発表https://t.co/R5FJkurKiY pic.twitter.com/yaAOI1p3wH
— IGN Japan (@IGNJapan) January 9, 2024
何がきっかけでゲームを遊ぶのか?
コアゲーマーの人達は何をきっかけにそのゲームを遊ぶようになるのでしょうか。好きなシリーズの最新作情報などはメーカー公式のSNSやサイトで知る…という場合もあれば、最も多く聞かれたのが「動画配信者がやっているのを見て面白そうだったから」という声でした。
「好きな配信者がやっているゲームの序盤を見て、面白そうだったらプレイする。ネタバレが怖いので一旦動画を追うの辞める。」
「格闘ゲームやシューティングゲームのような、ストーリーのネタバレが怖くないゲームの配信はよく見る。面白そうだったらプレイする」
VRゲーム:まだまだコアゲーマーにも定着していない?
テーマパークなどでもアトラクションとして定着してきたVR。家庭で遊ぶためのデバイスも様々なメーカーから発売されるようになりました。
しかし、意外なことに(弊社に限った話になる可能性はありますが)「興味はあるし、楽しいが積極的にプレイはしていない」という声がほとんどでした。
「デバイスの金額を高く感じているので手を出していない」
「部屋が狭くて思ったように動けない」
「VRデバイスは買ったがそこまで遊んでない。」
少なくとも今現在ではVRゲームを「新しいガジェット好きな人がプレイしているイメージ」として、ゲーム好きの自分たちとは異なる層という印象を持っていることも印象的でした。
発売を楽しみしているゲーム
最後に、これから発売が予定されているゲームタイトルで複数のアクアスター社員が挙げたタイトルの一部を紹介します。今後これらのタイトルが話題になることも多くなるのではないでしょうか。
『DEATH STRANDING2』
『メタルギアソリッド』シリーズで世界的にも人気となった小島秀夫監督作品『DEATH STRANDING』の続編に期待する声が多く聞かれました。前作は近未来のアメリカ大陸を「荷物を受取人に運び届ける」というシンプルな構造ながら、オリジナリティあふれるストーリーや世界中のプレイヤーと運ぶルートやアイテムを共有するシステムなどが話題になり2025年の新作発売を待ち遠しく思っているゲームユーザーも少なくありません。
『モンスターハンターワイルズ』
2004年に1作目が発売され「ハンティングアクションゲーム」の代名詞となった『モンスターハンター』の新作が2025年の発売を控え、予告動画も公開されたことで社内でも期待する声が多くあがっています。
『グランド・セフト・オートVI』
1997年に第1作が発売され、その後全世界で大ヒットした『グランド・セフト・オート』の最新作にも期待が集まっています。前作の『V』は一部でその製作予算が2億6730万ドルとも報じられており、ハリウッド映画の製作費もしのぐ超大型タイトルでした。売上本数も2024年2月の時点で全世界1億9500万本と驚異的なヒットとなっており、2025年に発売予定の新作にも期待が高まっています。
まとめ
今回はコアゲーマーの実態について、アクアスター社員を調査対象として実際に遊んでいるタイトルやプレイ傾向、情報収集や今期待されているタイトルについてご紹介しました。あくまでアクアスター社内という前提がありきの情報となりますので一つの見方…という形でご了承いただければ幸いです。
コアゲーマーも多いアクアスターではこれまで様々ゲーム用のビジュアルを手掛けてきました。日本のゲーム会社だけなく、海外発のゲームタイトルに関してもビジュアル制作の実績があります。キャラクターデザインから背景、日本発のアニメや漫画IPのイラストも多数実績がございます。ゲーム内におけるビジュアル制作で、クオリティ・点数・スケジュールを担保したい、版権元が納得するビジュアルを制作したい…という場合にはぜひお気軽にお声がけください。
また、ゲーム内のイラストだけでなく最近ではゲームのプロモーションも同時にご支援させていただいています。SNSを活用したキャンペーンやアニメーション、ARコンテンツの企画・開発までワンストップで対応可能です。
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