アクアスター技術ブログvol.21「 食欲を刺激する!シズルテクニック 」
2023/07/27
こんにちは!社内イラストレーターの太田です。
暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?こうも暑いと食欲も減ってきますよね…。
今回は食欲を刺激する料理や食品を描く時のコツ、「シズル」テクニックを紹介します。このブログを読み終わった後にお腹が減っていたら嬉しいです!イラストレーターの方は勿論、イラストやカンプをディレクションするディレクターや営業担当の方も抑えておくポイントとして参考にしていただければと思います。
そもそもシズル感って?
「シズル感」って聞いたことあるけれども具体的に何を指しているのか分からない…という人は意外に多いかもしれません。
語源である英語の”sizzle”は「ジュージューと音を立てる」「ジューシーな感じ」を意味する言葉です。ここではイラストや広告写真などのビジュアル表現における、食欲・購買意識を刺激して「美味しそう!」と思わせるテクニックと思っていただければと思います。
具体的には下記のイラストのようにみずみずしさをプラスしたり、匂いを可視化したりするイメージです。
美味しそうに見せるテクニック!
では早速、アクアスター流・五感を刺激するシズルテクニックを実際に制作したイラストと共に紹介していきます。
テーマを「3つ」に絞り説明をしていきます!
- ハイライトで質感アップ
- 匂いや臨場感を描く
- 温度感を描く
今回のブログでは、以下のハンバーグのイラストを例にご説明します。
この時点でもすでに美味しそうですが、まだ少し物足りない印象があります。この3つのテクニックを駆使して、どんどん美味しそうにしていこうと思います。
ハイライトで質感アップ
まずはシズル感を描く上で最も重要なのがハイライト(明るい部分、その強調)の使い方です。
ハイライトには大きく二つの役割があります。
まず1つ目は光源に合わせた立体感を出すことで2つ目が質感をプラスするという役割です。
今回はすでにベースの状態で立体感は出されているので、そこから肉感や肉汁、油の質感をプラスするつもりでハイライトを加筆してみましょう。
※加筆したイラスト
立体を強調するために「角」にハイライトを集めながら、肉汁の瑞々しさや油のはね、バターの溶け具合をプラスしてみました!一気に照りが出て美味しそうになったと思います。
注意点としては、ハイライトを全体に満遍なく入れてしまうと、立体感が損なわれ、絵として不自然になっていきますので、しっかり実物の資料を見て描くようにしましょう。
油の表現はPhotoshop等のソフトのレイヤーモード「オーバーレイ」や「スクリーン」などを活用し、液体感を強調するように工夫しています。
レイヤー合成の種類や使い方はこちらのブログを参考にしてみてください!
匂いや臨場感を描く
ハイライトを加えることで質感はプラスされました。続いて「匂い」を可視化してみようと思います。
匂いを描くのはズバリ温度感を感じさせる「湯気」がポイントです!
資料をよく観察しながら実際の温度感をイメージして追加してみてください。今回の場合は、ハンバーグの「ほかほか・あつあつ」のイメージで緩やかな湯気のイメージが良いかと思います。
さらにその場所の臨場感をプラスしてみると一層効果的になります。美味しいものを食べるときにはその時のシチュエーションや雰囲気も重要ですよね。
どのような時間帯で照明の明るさはどうなっているか…などこの料理の周りの状況を想像してみてください。空気感を描けると、そのシチュエーションを想像することでより食欲が湧いてきます。
今回はレストランの設定で、暖色の照明の色を全体に薄くかけてみました。
その場の雰囲気や臨場感がプラスされています。
温度感を描く
最後の仕上げに、この料理そのものの「温度」をイメージしてみましょう!
このままでも十分熱々さが伝わると思いますが、もう一歩バターを「じゅわっ」とさせて熱々さを表現してみたいと思います。具体的にはバターが溶けてハンバーグの上に広がっている様子を描いてみました。
「じゅわ…っ!」
これで完成です!
どうでしょう?そろそろお腹も減ってきたのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?
今回は食べ物のシズル感を出すための作画のコツを3つのテーマでまとめてみました。
- ハイライトで質感アップ
- 匂いや臨場感を描く
- 温度感を描く
自分で撮影した料理の写真をリアルにイラスト化したい場合はこちらの記事もオススメです!
アクア技術ブログvol.4 「フォトバッシュで作るアニメ風背景 室内編」
今回ご紹介したポイントは、食べ物はもちろん、他のモチーフを描くときにも役立ちます。ぜひイラストを描かれる方はシズルテクニックをマスターして「様々な質感」を描いてみてください。ディレクターや営業担当の方は、「シズル感」を出すためにどういったポイントが必要かを知るとクリエイティブともスムーズにコミュニケーションが取れますので是非参考にしてください。
アクアスターでは、今回ご紹介したシズル感のあるイラスト技術を活かして、プレゼンテーション用コンテやグラフィックカンプの制作を行っています。
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