動画はARに活用できる?期待できる効果を解説
2023/11/28
2023年に日本国内で実施された調査によると約過半数の人が「AR」を利用・体験したことがある*1と回答しています。さらに、利用したことがある人の中でもARという認識がなく体験していたという人は6割を超えていました。ここからは、ARという技術がいかに私達の生活に浸透してきたかということが分かります。文字情報や写真・イラスト等を現実の風景に重ねた体験がARでは可能ですが、最近では動画コンテンツを組み合わせた施策も増えてきました。
今回のブログではこの動画を活用したARコンテンツについてその効果や押さえておきたいポイントをご紹介します。
*1: AR開発のプレティア、株式会社電通グループと共同で日本国内における生活者へのAR浸透度調査を実施
目次
ARと動画の関係
ARは「拡張現実」の英訳である「Augmented Reality」の頭文字を取った言葉です。一言で言えば「現実に見えている風景に、スマートフォンやタブレットなどのカメラを通して情報を重ねて表示させる技術」と言えます。
ARについてはこちらのブログでも詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください
2000年代当初は文字や画像を表示するシンプルなコンテンツが主流でしたが、現在は映像の再生や3DCGで制作されたキャラクターが動く等の表現も行われています。ARでの動画の見せ方は主に2パターンに別れます。
一つは特定の画像を認識することで映像として動き出したり、一定の範囲をスクリーンと見立てて映像が再生されたりするものです。主にポスターやパンフレットのような紙媒体と連動することが多く見受けられます。新聞社などではアプリで読み込むと紙面で映像が再生される…といった施策も行っています。
もう一つはQRコードや位置情報を読み取ることで、眼の前の風景の中に合成されて3DCGを初めとする映像が表示されるものです。現在では風景の中にある建物等の位置関係も映像に反映させる技術の研究も進められています。
こちらのAR映像ではビルの位置や角度、撮影している地点からの前後関係などを解析し、CGで描かれた魚がビルの後ろを通り過ぎる…といった表現も実現しています。
動画をARで活用するメリット
動画をARで活用することで、様々なメリットが期待できます。
効率的に多くの情報を届けられる
動画とARを結びつけるメリットの一つが「効率的に情報を届けられる」という点です。映像を見てもらうためにはCMや大型ビジョンなどの媒体を確保・購入する、イベントなどではその場で見せるために大きなプロジェクターやモニターを必要な数分設置して見せる…ということが一般的でした。
ARコンテンツではQRコード等の画像情報を読み取るだけで、手元のスマートフォンで映像の視聴が可能になるため映像を見せるための手間が大きく削減できます。従来制作していたチラシやパンフ等の紙媒体にQRコードをレイアウトするだけでも可能です。また、紙媒体内の内容を映像や音声でより詳しく紹介することで多くの情報の伝達を行えます。
YouTube等に動画をアップロードした場合でも、URLを共有するためには相手のメールアドレスを取得したり検索をしてもらう手間が生まれます。ARと連動することで、例えばARを読み込むためのQRコードを記載したパンフレットやチラシを配布するだけでスムーズに動画やその先のコンテンツに誘導させることができます。
エンタメ性を持たせられる
こちらは「東京ゲームショウ2023」にてアクアスター配布した実績紹介パンフレットのARコンテンツです。東京ゲームショウ2023では来場者にゲーム感覚で楽しんでもらうことやエンタメ性も念頭におきブースやサイネージコンテンツを展開しました。
このパンフレットでは、魔法陣を読み取ると魔法で飛び出て来たようなアニメーションのAR取り入れています。アニメーションを眺めるだけではなく、画面をスワイプして操作できるといったインタラクティブ性を持たせたことも特徴です。このように動画を組み合わせることで、情報の伝達手段としてだけでなくよりエンタメ性を持たせることができるのもARの特徴と言えます。
動画をARで活用する際に押さえておくポイント
スマホ・タブレットでの視聴を考慮する
ARコンテンツはスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を活用して体験することがメインとなります。そのため、テレビやパソコンと比較して小さい画面で見ることも想定しておく必要があります。小さな文字や細かなデザインは見えづらくなってしまう可能性もあるため注意が必要です。
3DCGの活用
ARで動画を活用するメリットを活かすためには、アクアスターの事例でも紹介したような3DCGを活用することもポイントです。キャラクターやオブジェクトを回転させるような表現や実際の風景となじませるような表現ができることで、より魅力的な体験を引き出すことができます。
ARと動画の活用事例
*こちらの活用事例はアクアスターが手掛けたものではございません。ご了承ください。
店内・店外で体験できるAR✕動画コンテンツで来場者が3倍に:大丸百貨店の事例
スマホひとつで体験できるARそして動画を組み合わせたコンテンツは様々な商業施設や観光スポットの集客施策として注目されています。2024年2月から3月にかけて松坂屋静岡店では「XR水族館」と題して、館内・館外で楽しめるARコンテンツを展開しました。
店舗入口に設置された二次元バーコードを読み取ったうえで、近くの空間にかざすと空中に海の生物が漂っている映像体験に没入することができます。
松坂屋7Fにある水族館「スマートアクアリウム」とも連動したキャンペーンも展開しており、「XR水族館」の効果も含めて水族館への来場者が300%になたと伝えられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は動画をARで活用するポイントについてご紹介しました。冒頭でもお伝えしたようにARという体験自体は広く浸透してきたと言えます。今後より印象に残るアプローチを行うためには、動画も併せて活用することが有効と言えます。
私達株式会社アクアスターではこれまで、数多くのARに関するソリューションを提案させていただいております。活用例やアクアスターのAR開発の特色等を下記のページからご覧いただけますので、ぜひご覧ください。
また、動画をARで活用する場合には動画制作とAR開発それぞれの連携が非常に重要です。映像の見栄えだけでなくデータ上の仕様確認など、綿密な連携を撮ることが求められます。アクアスターでは社内で動画制作のチームとからAR開発を行うエンジニアチームの両方があり、一貫した対応が可能です。
「ARコンテンツを使ってイベントを活性化させたい」
「YouTube等のSNSと連携して動画コンテンツを活用したい」等
解決したい課題やチャレンジしてみたいことがあれば是非お気軽にお声がけください!