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イラストピック

制作活動には欠かせない「著作権」について

2023/07/20

7月22日は「著作権制度の日」です。「著作権法」が1899722日に国内で初めて制定されたことに由来しています。この法律に定められている「著作権」はイラストやデザイン、映像や音楽など、様々な制作物にとって非常に重要な権利です。

今回のブログではこの記念日にちなんで、著作権について取りあげます。著作権の基礎知識から、特にイラスト制作で抑えておきたいポイントまでご紹介しますので、是非参考にしていただければと思います。

著作権とは

まず、前提として「著作物(著作)」は、人間の知的・精神的活動によって外部に表現されたものを指しています。小説や音楽、イラストや漫画は勿論、映像からプログラムまでその範囲は多岐にわたります。著作権とは一言で言えば「著作物の作者が使い方や伝達方法を決めることができる権利」です。先ほど述べた「著作権法」はこの著作権を守り、文化の発展と著作物の校正な利用を目的とした法律で文化庁の所管となっています。

この目的を果たすために、著作権は様々な権利を組み合わせることで成り立っています。大きくは「著作者人格権」「著作権(財産権)に分類されます。

著作者人格権

著作者人格権は主に著作者の名誉や感情を保護する権利とされており、以下の3つの権利を含みます。

①公表権

公表権とは、まだ公表されていない著作物を公表する権利です。公開する場合は、いつどのような形で公開するかを決定できます。これにより、第三者が許可なく著作を公開することを防ぐものです。

②氏名表示権

氏名表示権とは、著作者が自分の著作物に氏名を表記するかどうかを決める権利です。表記する場合は、本名やペンネームのように自由に決定して表記できます。もちろん表記しないことも自由ですが、この権利があることで、第三者が著作物に表記されている氏名を許可なく削除したり、変更したりして提供することを防ぐことが可能です。

③同一性保持権

同一性保持権とは、著作物の内容を第三者が無断で改変・編集することを禁止する権利です。例えば、公開された絵画を許可なく加筆して展示したり、小説の文章の内容を変えて出版したりする等の行為は、原則として認められません。

複製権

著作物を複写・録音・録画などのあらゆる方法で複製できる権利であり、第三者が許可なく著作物を複製することを禁止しています。しかし、私的利用や学校授業での複製利用等は、例外として著作者の許可なく複製することが可能です。

上演権・演奏権

音楽の演奏会や演劇の上演のように、著作物を公の場で披露できる権利です。この権利があることで、第三者は許可なく演奏や芝居の公演を行うことはできません。この権利には、録画された演劇の映像、演奏を収録したCD音源を多くの人に公開することも含まれるため、注意が必要です。

公衆送信権・公の伝達権

テレビ・ラジオ・有線放送・インターネットなどで著作物を送信・伝達できる権利です。

公衆送信権とは、主に著作物を複製したものを放送したりインターネットにアップしたりすることで、公の伝達権は保存せずにそのまま表示することをさします。テレビ番組の録画をウェブサイトに無断アップロードすることは、公衆送信権の侵害となり、新聞社のサイトに表示されている記事を無断でそのまま公の場に映し出すことは公の伝達権の侵害に該当します。

展示権

美術品や写真を展示会などで不特定かつ多くの人に見せるために展示する権利です。展示権が適用される著作物は、複製ではない原作品が対象となりますが、写真については同一のフィルムから現像された写真は全て原作品となります。

譲渡権

映画以外の著作物の原作品と複製物を多くの人に販売等で譲渡する権利です。

この権利があることで第三者が無許可で著作物を譲渡することに制限が生じます。譲渡権は、著作権者が認めた上で適法に譲渡された時点で消滅するため、中古の漫画本やCDを売ることには問題がありません。

二次的著作物の創作権・利用権

「二次的著作物」とは、特定の著作物を原作として、新たな創作性を加えて作られた著作物を意味します。

例えば、海外の小説を日本語訳する翻訳や音楽にアレンジを加える編曲、漫画を原作としたアニメやドラマ等が二次的な著作物に該当します。この権利により、第三者が二次的著作物を創作する場合は、著作者の許諾が必要になります。さらに、創作した二次的著作物を利用すること、つまり、上映したり公開したりすることにも著作権者の許諾が必要です。

イラストにおける著作権

近年、著名なインフルエンサーを起用したイラスト施策や人気のマンガ・アニメキャラクターイラストを使用したタイアップ企画が急増しています。イラストを扱う場合は、制作物の内容はもちろん、制作後の著作権の取り扱いにも注意が必要です。

例えば、制作したイラストに関して修正が必要な場合は、著作者本人に依頼するか、事前に許諾を得るなどの準備が必要になります。

人気作品のキャラクターイラストを活用する場合は、著作者だけでなく、著作者から財産権を譲渡されている企業(または財産権の管理を委託されている企業)や製作委員会とコミュニケーションをとるケースが多く見受けられます。既存のイラスト素材の取り扱い範囲や、キャラクターを新しく描き起こす場合などは、通常、利用許諾条件が定められていますので、正確に確認することが重要です。

製作委員会で制作しているアニメ作品のタイアップなどは、「アニメの画像をそのまま使うのか」「アニメから翻案(ノベライズ、フィギュア化など)するのか」等によって、製作委員会を構成するどの企業に問い合わせるのか異なる場合があります。製作委員会には「主幹事会社」「窓口権(※)を有する会社」などがあらかじめ決まっており、どのように使用したいかで問い合わせ先が異なります。こうした場合、「何を」「どのように」「どの期間」利用したいのかを明らかにして、「主幹事会社」に問い合わせます。

※窓口権…アニメ作品でいうと、地上波放送権→地上波放送局、BS/CS放送権→BS/CS放送局、グッズ化→玩具メーカー、ゲーム化→ゲーム制作会社、ノベライズ→出版社、映画化→映画配給会社のように、製作委員会構成メンバー内で役割を細分化しています。このように、1つのコンテンツで生じるさまざまな使用方法について担当を決め、その企業が窓口になって収益を得るという意味で「窓口権」ということばが慣例的に使用されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、イラストをはじめとする制作物にとって重要な著作権について紹介しました。

制作に直接関わるクリエイターをはじめ、今後イラスト制作の依頼やキャラクターのタイアップ等を検討している方にも参考にしていただければ幸いです。

アクアスターは、オリジナルキャラクターの制作から人気版権キャラクターのタイアップ広告の制作まで、幅広く携わっております。今回ご紹介した著作権をはじめとした権利周りに留意しながら、ターゲットやニーズに即したクオリティの高い企画・制作を行います。

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